ナレーションのスタジオ収録は段取りが命!押さえてほしいこと


スタジオ収録では、どれだけ事前準備ができたかが収録時間や、ナレーションの仕上がりに響いてきます。はじめてスタジオ収録を主導する方へ向けて、ぜひ押さえてほしいポイントを説明します。

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本格的なeラーニングでは、プロのナレーターにお願いして、スタジオで録音することがあります。でも「一般企業の教育担当」といった立場の場合、スタジオ自体がはじめて・・・ということが多いもの。

スタジオ収録は段取りが命です。どれだけ事前準備ができたかが、収録時間や、ナレーションの仕上がりに響いてきます。はじめてスタジオ収録を主導する方へ向けて、ぜひ押さえてほしいポイントを説明します。

ナレーションのスタジオ収録の段取り

はじめに、収録の全体的な流れをご紹介します。
[事前準備]ナレーターの手配
[事前準備]スタジオ予約
[事前準備]原稿用意
[当日]録音前打ち合わせ
[当日]録音
[後日]納品後チェック

一つ一つ、ポイントをお伝えします。

[事前準備]ナレーターの手配

インターネットで検索したり、ナレーター派遣事務所に問い合わせたりして、作品のイメージに合うナレーターを決定します。注意するポイントは、以下の通りです。

  • 女性か男性か?
  • 日本語か外国語か?
  • 若い溌剌としか感じか?落ち着いた大人の雰囲気か?
  • CM風のキャラクターか?TVキャスター風に説明か?
  • スケジュールは大丈夫か?
  • 予算は希望とおりか?

ナレーター派遣事務所によってそれぞれ得意な分野がありますので、サンプル音声を取り寄せたり、いろいろ相談してみるとよいでしょう。収録スタジオ(後述)によっては、実績のあるナレーターさんを紹介してくれるところもあります。ナレーターのあてがない時には相談してみましょう。

[事前準備]スタジオ予約

インターネットで検索したり、知人に紹介してもらったりして、スタジオを予約します。
特に注意するポイントは、以下の通りです。

  • 料金
  • ブースに入れる人数
    (ブースは話者のエリアです。掛け合いなどする場合は、広さが必要なことも)
  • 立会可能人数
    (あとから「こう読んでほしかった」と言われても、日をまたいでのリテイクは音が変わってしまったり、対応できなかったりします。キーマンがいる場合、立ち合いをしてもらったほうがよいでしょう)
  • 納品形式
    (WAVか、MP3か、音をどこで分割するか、ファイル名はどうするか・・・、といったことをスタジオ側と調整します。)

これらに注意しながら、スタジオを決定します。立ち合い関係者が多い場合は、アクセスがよいスタジオが便利です。お昼をまたぐ収録の場合は、ランチ事情をスタジオに聞いておくと安心です。

[事前準備]原稿用意

原稿の仕上げ具合で当日のスムーズさが変わってきます。以下の点に注意しましょう。

  • 分量に注意する
    一般に、標準スピードで1分間に読み上げられるのは、250~300字といわれています。コンテンツの学習時間の目安が決まっている場合、それに収まる文字数にしておきます。(全体で○分くらいにしたいと思っている旨、事前にスタジオ側に伝えておくとよいでしょう)
  • 聞きやすい原稿にする
    • 一文を短く(長くても50文字程度)
    • わかりやすい単語(×平易な言葉を使いましょう、○簡単な言葉を使いましょう)
    • 同音異義がある言葉は言い換えを検討する
    • 用語を統一する
  • 読みやすい原稿にする
    • 難しい読み方(漢字、外国語、業界用語)にはルビを振る、事前に伝える
    • 複数の読み方がある場合はルビを振る、事前に伝える
  • 使いやすい原稿にする
    • 文字はある程度大きく、行間もあける(修正などのメモが楽)
    • 長文の場合は適宜段落を変える
    • 段落がページをまたがないようにする
    • ナレーションが必要な部分(原稿)と不要な部分(タイトル等)の違いをわかりやすくする
    • ノンプルを必ず入れる(バラバラになっても分かるように)
    • 章や節などのナンバリングを入れる(口頭で該当箇所が分かりやすいように)
  • プリントアウトの注意点
    • 片面印刷にする(両面だと、めくり音が起きやすい)
    • ホチキスで止めない(めくりにくい)
    • <人数+α>の部数を用意する。(スタジオのエンジニア分を忘れずに/立ち合い人数が増えても対応できるように)

[当日]録音前打ち合わせ

ナレーターやスタジオ関係者と打ち合わせを行います。

  • ごあいさつ(気持ちよく話してもらえるようにしましょう!)
  • リクエストと注意点
  • 話すときの雰囲気
  • イントネーションに注意が必要な専門用語や人名
  • 読み上げスピード・・・・など

[当日]録音

部分ごとに録音をしていきます。
読み間違いがないか、違和感がないか、しっかり確認します。気になるところがあれば指摘しましょう。収録した音はその場で聞いてチェックできるので、アクセントや間のとり方なども、すぐに確認して、早めにOK/NGの基準を全員で統一するとよいでしょう(その方が全体的に効率的です)。

ただし、ナレーション原稿自体の修正はできるだけ控えるようにしましょう。原稿自体の直しには思った以上に時間がかかります。その間ナレーターさんは待ちの状態になり、結果として録音時間が圧迫されてしまいます。最悪の場合、読み切れないという事態にも・・・・。原稿は、事前準備の段階できちんと仕上げておくようにします。

[後日]納品後チェック

スタジオから音声が納品されたら検品を行います。

  • 足りないパーツがないか
  • 品質がおかしいところがないか
  • 形式は正しいか
  • 分割箇所は正しいか

注意すべきなのは、このチェックはあくまで検品作業だということです。「ここの読み方はイメージと異なる」といった指摘は、原則としてできません。

もっと簡単にナレーションをゲットするには?

もっと簡易的でかまわない・・・という場合は、スタジオに同席せず、音声だけを納品してもらう方式もあります(一例:ナレーション収録サービス Voice One)。メリットデメリットは以下の通りです。メリットとデメリットは裏返しです。それぞれの特徴を活かして選択しましょう。

  • スタジオ録音
    • メリット: その場で細やかなニュアンスを指示できる
    • デメリット1:自分自身も拘束される
    • デメリット2:スタジオを借りる分、高額になる
  • 音声納品のメリット
    • メリット1:時間が拘束されない(ただし、チェックの時間は必要です)
    • メリット2:比較的安価
    • デメリット:細やかなニュアンスの指示が難しい(やり直しに制約があることも)

おわりに

いかがでしょうか?一連の流れのイメージはつきましたか?
わからないことはスタジオに問い合わせて、納得のいくナレーションを作ってください。

高濱洋子

「仕事と成長のよい循環」に関心があります。企業向けITインストラクターを経験後、テクニカルライティング(業務・システムマニュアル)、企業向けeラーニングの制作、導入に携わる。現在はロゴスウェア株式会社勤務。

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