企業の「反転学習」は4ステップで実践(8)-集合研修でさまざまな事例に触れる


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【 ステップ4 】集合研修でさまざまな事例に触れる

41-37[三木]
いよいよステップ4です。集合研修(ケーススタディ)お願いします。

[松井]
OJTまでいったら終わりじゃないかということになりますが、OJTでやったのは一局面ですから、実際長らくやっていくにはいろんな局面があるわけで、さまざまな事例に触れておくということも重要になります。集合研修で多くの人が集まって同じテーマで実践しているわけですから、共有することによって、仮想的にさまざまな体験を増やす、それによって自分の対応力、応用力を広げていくことにつながると思います。
また、自分で知恵を出しても解決できない場合にも、まったく違う職種の方、たとえば開発と営業であれば、営業の立場でみるとこういう事じゃないか、といった時に、開発をやってきた人間ではなかなか思いつかないこともパッとひらめいたり、ヒントをもらえたりすることもありますね。「異能が集う」という言葉もあるように、異なる知識、経験がある人が集まって意見を出し合うと今までの自分の壁を越えたものを得ることができます。ケーススタディは自分の壁を越えた知恵を得るのに大きな効果があると思います。

[三木]
組織であることを最大限に使った学びという感じがします。個人の集まりではないですからね。
知識の共有というキーワードでしたが、ただの報告に終わらせず、みんなで相乗効果を生み出すには、どういう形でやっていったらいいでしょう?

[松井]
共有するということは、自分が当事者意識をもって考えることが重要と思います。ですから、誰か一人の事例をもってきて、それに対してただ聞く・・・のではなく、改善するためにどうしたらいいか一緒に考えて改善案を出すことを通じて共有が進んでいくと。作ったツールも、モノとして共有できますね。

[三木]
他部署の課題であっても、自分事として改善案を考えることで、問題の本質に迫れるということでしょうか。

ケーススタディの例

44-19[三木]
ケーススタディについて、実施風景の写真をご用意いただきました。

[松井]
これはカイゼン塾というスタイルでやったときの事例ですが、お互いに職場に出向いて行って、実際にやっている状態を見せてもらうと。
ここは開発部門なんですが、実際の開発のタスクを書いて、全体としての順番を決める、割振りと進行状態、問題を共有しながらチームで解決を図る。これを実際に職場に見に行くというのがケーススタディの一番いいやり方ではないかと思いますが、なかなか職場に行くのは難しいですが、理想としては一番良いと思います。

[三木]
背景をみると会議室じゃないんだなというのがわかります。

カリキュラムの例

46-49[三木]
具体的なカリキュラムの例がこちらです。

[松井]
これは労務管理術というコースの例で、私たちがご提案するときの標準的なものです。実際の会社ではさらにアレンジしてカスタマイズしてお使いになることもあります。【 講座の区分 】というところを見ると、【 基本編 】、【 実践編 】両方あるものと、ないものがあります。このコースは「仕事の時間管理の問題から、心のバランスを取ることにつなげよう」というテーマですので、時間に直接関係ない【 従業員満足 】【カウンセリング・マインド 】は関連知識として勉強していきましょう。直接かかわるような【 タイムマネジメント 】【 残業管理 】【 健康管理 】は実践編までやっていただこうと。特に、【 残業管理 】【 タイムマネジメント 】はOJTのほうにツールとして使うという構成になっています。

[三木]
基本編、実践編という基本的な流れを最初にご説明いただきましたが、内容に応じてアレンジしていくということですね。

ツールの例

47-36[三木]
ツールはこちらになります。

[松井]
【 タイムマネジメントシート 】が左側、右がチケット制で残業量を管理、たとえば月10時間までの残業ということで、1枚1時間の【 残業チケット 】を10枚用意していると。チームで残業時間を抑えていく中で、忙しい人にチケットを「二酸化炭素の排出量売買」のようなやりとりをする中で、お互いの大変さが共有され、助けていこうという気持ちの醸成につながっていくことになります。

[三木]
Aさんばっかり残業チケット使ってるのは、Aさんに仕事が集中しているんだと。

[松井]
チケットの代わりに「俺がそれをやってあげるよ」というやり取りも発生しますね。たとえば、それぞれ3時間のチケットを持っていたら「忙しいから3時間ちょうだい」と渡すのもあるけれど、仕事そのものを渡してやってもらうというのも、チケットのやり取りを通じてシェアも進んでまいります。

[三木]
けっこう隣の席の人の仕事でもわからないものですものね。見える化ですね。

[松井]
最近は、隣の人にメールで連絡するなんてこともありますからね。チケットが話すきっかけになりますね。

[三木]
左側の表は、自分の仕事がどのように埋まっているのかを埋めていく中で、見える化していく。この例ですと木曜に出張しているけど、まだ月曜、火曜はあいているよとか、他の人も一緒に見て、やり取りをして仕事のシェア、平準化、負荷の分散を図っていくというように使うツールですね。

[三木]
たしかにこういったものでしたら、すぐに業務で使えますし影響範囲が小さいというのもわかる気がします。これくらいの粒のものを作って、実践でのツールとしてやっていけばいいんですね。

[松井]
タイムマネジメントは、個人個人は自分の手帳でやっているんですが、それぞれ書き方もバラバラにあると仕事の負荷分散をするときにできないですから、みんなが同じフォームで書くのが重要になってきますね。

[三木]
同じフォームで、みんながアクセスできるオープンなところにおいておくということですね。

[松井]
こういったことを自分の職場でやってみると、今までタイムマネジメントなんてできてるといった人があらためてわからない人とのかかわりの中で共有することで、個人でやっていたものがチーム型に代わってくるきっかけにもなると思います。

[三木]
組織力を高めることにつながるわけですね。

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高濱洋子

「仕事と成長のよい循環」に関心があります。企業向けITインストラクターを経験後、テクニカルライティング(業務・システムマニュアル)、企業向けeラーニングの制作、導入に携わる。現在はロゴスウェア株式会社勤務。

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