企業の「反転学習」は4ステップで実践(7)-OJTでとにかくやってみる


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【ステップ3】OJTでとにかくやってみる

36-36[三木]
いよいよステップ3、OJT、学びの実践です。

[松井]
実践前研修では仮想の状態でやってみるわけですが、本当の自分の仕事に適用してみるというのがOJTになります。とくに、メンター役があるわけではないのですが、自分でやってみるということになります。やってみて、問題を出して、自分なりに直してみるということを、1回から3回、サイクルを踏むのが理想と思います。

[三木]
一対一とか付きっ切りではなくて、各人が持ち帰って、自分で取り組んでいくということですね。

[松井]
誰かがつきっきりとか、サポートしないと実践できないというのは問題なわけで、一人放置された状態でもやってみる。それは事前にやった時のケーススタディというのがあるのでそれが動機づけ、もしくは、やっていかなければいけないという圧力、励みになってやっていくということになります。

[三木]
前のステップまでが目的を果たせていれば、OJTは一人で完結できるということですね。

[松井]
自分のツールにしっかりと育っていれば、与えられたものでなくて、主体的にやるという気持ちも醸成されてくると思います。

[三木]
ツールを自分で使って課題を洗い出すことを念頭にステップ2をやっておけば、必死になって検討していくというのもあるかもしれませんね。

なるべく小さく失敗するために、限定的にやってみる

[三木]
課題の抽出は簡単なことではないと思うのですがみなさん躓かれたりしませんか?

[松井]
課題を出すことよりも、実際にやることがなかなか。実践するときのポイントは、失敗する前提になりますので、なるべく小さく失敗する、大掛かりにやるのではなくて小さくやる。その失敗が自分の仕事に大きくダメージを与えないようなレベルのやり方をしなければいけません。小さければ、準備などもそれほどしなくてもよいですからすぐ実践できます。実践すれば課題は出てきますので、課題を出すことに悩むよりは、実践する悩みのほうが多いようですね。

[三木]
なるほど、やるための敷居が高くならないように気を付けなければいけませんね。小さく始めるとおっしゃいましたが、それは研修のテーマではなくて、あくまでツールをすぐに使えるように小さいものにするということですね。

[松井]
適用する仕事の範囲を狭めたり、時間帯を狭くとってみたりと、限定的にやってみるということになります。

[三木]
あまりほかの人を巻き込まない、自分一人で完結するタイプの仕事から適用していったほうがいいのでしょうか?

[松井]
まずはそこからでしょうね。ただ研修のテーマによっては、他の人との関係性もありますので、そういう場合は、理解のある人から始めるというのも、小さく失敗する進め方ですね。

[三木]
この失敗というのは悪い意味ではなくて、そこから課題を得るということですね。

[松井]
そうですね。事実から学ぶというのがポイントになります。失敗の事例から学べることは圧倒的に多い。うまくいった、なんでうまくいったのかわからないまま行ってしまうと、条件が変わったり環境が変わったりしたときに、一番重要なキモとなるポイントがわかっていなかったりする。失敗すると、成功するために何が重要なのか失敗の原因を掘り下げて成功するためのコアなものをしっかりと認識されますね。ですから失敗しない、自分がわかっている範疇のなかで間違いなく進められるなんて言う、成功範囲の中に納めてしまうのは、実は応用がきかなかったり後でこけるということになりますので、そこは冒険してもらうのが重要かもしれません。

[三木]
なるほど。失敗も織り込み済みで挑戦していくということですね。

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高濱洋子

「仕事と成長のよい循環」に関心があります。企業向けITインストラクターを経験後、テクニカルライティング(業務・システムマニュアル)、企業向けeラーニングの制作、導入に携わる。現在はロゴスウェア株式会社勤務。

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