企業の「反転学習」は4ステップで実践(4)-反転学習を用いた社員教育の具体的なフロー


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企業の反転学習の基本フロー

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[三木]
第1部後半は、反転学習の効果、特性は分かったけれど、うちの会社に導入するにはどうしたらいいんだろうか?というのを、詳しくお聞きしたいと思います。反転学習の基本フローとして、どんな流れで進めていったらいいのか教えていただけますか?

[松井]
ラーニングミックスとして私たちがやっている事例をご紹介していきます。

  1. まず【eラーニング(知識習得の研修)】を行います。原理原則、理解の深耕を図ります。
  2. それを踏まえて、【集合研修(実践前研修)】で、実践する前の準備、具体的にはツールをつくる研修を行います。
  3. 三番目はツールを、問題とか課題、工夫、知恵を出していくことを【OJT(学びの実践)】でやっていきます。
  4. そしてまた皆さん集まってもらって、【集合研修(ケーススタディ)】で、様々なケースを学びあう、個々の課題を共有し、一緒に考えて、解決するための知恵をいろんな人から集めて多面的に解決していく。いろんな事例、ケース、場面、条件下で同じテーマにいろんな結果が出ていますよね、そういったものを共有することで応用力とか、異常時のトラブル対応力というものを高めていくことにつながります。
  5. それを【仕事へと展開】していく。効果を出していくことにつながってまいります。
  6. で、もう一度eラーニングのところに戻るわけですが、ここでeラーニングの特性が活きてきます。OJTと仕事への展開からeラーニングのところに戻っている線があります。「こういう意味があったんだ」というのが、やってみた中ではじめて、原理原則の本当の意味とか価値を深めていくことにつながってまいります。

[三木]
たしかに最初はよく理解できなかったけれども、業務で実践してみてから気づくことって結構多いものですよね。

[松井]
聞いただけでは理解できない本当の肝というか、重要なポイントというのはやってみて初めて分かることが多々あるんですね。戻ってもう一度知識を整理して聞き直すことができるというのがeラーニングのポイントでもあります。

じっくりやると、かえって効果が早く上がる

[三木]
結構おおがかりな研修のように思えます。今の時点でこの4ステップを踏むところは多くないと思いますがいかがでしょうか?

[松井]
選抜されて教育を受ける人たちは、eラーニングは使わなくても、これに近いような研修が行われることがあります。ただ、選ばれた人に行われることが多くて、もう少し広い他の人たちはスポットで研修を受けるとか、通信教育をやるとか、そういった事どまりになっている。今回のラーニングミックスはもう少し軽くできる部分がありますので、もっと多くの方たちに実践的な研修を広げられるチャンスがあるのではないでしょうか。

[三木]
どうしても早く研修の成果を出そうとすると、eラーニングだけですとか、やってもeラーニングとOJTだけとかそういうことが多いんじゃないかと思うのですが、そこをじっくりやることで、かえって効果が早く上がることも考えられますよね。

[松井]
活かし方を教えることをしっかりやっていけば、知識はインターネットで得たものだけでも使えるものが多々あります。昔は情報を集めることにエネルギーやコストがかかっていたのですが、今は情報がいとも簡単に集まる、しかし活かし方がうまくできていない。昔は苦労して情報をあつめたので、集めたひとはすごく大切にして、なんとかモノにしようと考えたんですが、今は簡単に集まるがゆえに、活かす、使うという部分がすこし軽んじられているんじゃないかと思います。

[三木]
社員教育の教材もすごくよい情報をもっていたとしても、教材のつくり方や、研修のデザインの仕方であったり、効果が最大限に発揮されないことも多いですよね。

つづく( 次の記事へ目次ページへ

高濱洋子

「仕事と成長のよい循環」に関心があります。企業向けITインストラクターを経験後、テクニカルライティング(業務・システムマニュアル)、企業向けeラーニングの制作、導入に携わる。現在はロゴスウェア株式会社勤務。

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