【変化を考える(2)】「リーダーにはなれない」と思っていたけれど、とにかくやってみた


人はどんなとき、どんな経験を通して、「昨日よりちょっと成長した自分」に変化していくのでしょうか?インタビューを通して考えていく企画です。
一緒に「変化」というものの輪郭をさぐってみましょう!

 

第2回は、ロゴスウェアで製品の検証(テスト)を担当する植竹純子さんにお話を聞きました。
明るくユーモアを忘れないキャラクターの植竹さんですが、昨年は大きな試練を与えられました。それは、「リーダーとしてチームを次のステージに進める」こと。

まさか自分がリーダーに指名されるなんて思ってもいなかった植竹さん。
変化せざるを得ない状況におかれ、何を思い、どんな行動をとったのでしょうか。

「カリスマ性がないから」と、はじめは断った

—–なぜ、リーダーになることに?

 

植竹さん:
検証チームは、与えられた仕事をこなすだけでなく、主体的に品質を向上させる組織にならなくてはいけないと、以前から言われていました。
そのための改善活動のなかで、リーダーとしてチームをとりまとめる役割を打診されました。

でも、はじめは「できません」と言ったんです。
私にはカリスマ性がないし、まとめるのも得意じゃないから、リーダーにはなれないと言いました。
ところが上司には、「ファシリテーターになりなさい」と返されました。
ファシリテーターとは活動の支援をする人、と思っていますが、それは私の考える「リーダー像」とは違うものでした。それで、リーダーにもいろいろな形があるのかと思ったことと、上司に「やってみなきゃしょうがないよね(※1)」と言われ、これはリーダーになるしか道がないと思って、受けることにしました。

正式に決まったのは昨年の6月末です。7月からすぐにリーダーとしてチームの新しい体制作りを始めました。

 

(※1 やってみなきゃしょうがないよね…ロゴスウェアでは「とにかく、やってみる」という価値観を重視している)

 

—–当初、チームはどうなると予想していましたか?

 

植竹さん:
正直、うまくいかないんじゃないかと思っていました。
自分がリーダーであるということもそうだし、同じタイミングで経験者が一人異動になってしまったんです。代わりに検証チームに配属された方は、一部の製品には詳しいけれど、検証は未経験でした。業務が回らなくなるんじゃないかと心配していました。

でも、移行期間は3ヶ月間と決めたので、上司と相談しながらとにかく仕組みづくりを進めていきました。

 

仕事のやり方を変えて新体制をスムーズに

②

—–新体制として、どんなことをしたのですか?

 

植竹さん:
まずは、役割分担を整理し、業務の優先順位を明確にしました。
役割分担を整理したことで、異動になった経験者が担当していた業務を分担することができました。各自が役割を再確認することで責任感が強くなったようにも思います。
また、業務の優先順位をはっきりさせてメリハリをつけました。
状況によって必要なこと、不要なことの判断基準を明確にして、チーム内外で共有しました。

仕事のやり方自体を変えることで、実際には私が心配していたように業務が回らないということにはなりませんでした。新しくチームに配属された方も即戦力として活躍しました。

 

伝え方を変えて、他チームとの関係が変わった

③

—–「主体的に品質を向上させるチーム」づくりというのは?

 

植竹さん:
依頼された検証をこなすだけでなく「主体的に品質を向上させるチーム」になるためには、他チームとの連携が必須であり、土台となる情報発信力を高める必要がありました。
情報というのは、検証チームがなんのために存在するのか(ミッション)とか、どんな体制で業務をしているのかとか、検証の状況はどうなっているかなどです。
私たちはこれまでも社内SNSやYammer(※2)で情報発信しているつもりでしたが、それは届いていなかったのです。検証チームが何をやっているのか、他チームはみんなわかっていなかったと思います。それが問題でした。

そこで、同じ情報でも、整理して伝えることにしました。
たとえば検証結果を報告するときに、それまではExcelのデータを見てもらっていたところを、レポートをつくって、ドキュメント化して、ミーティングの場で口頭で解説するようにしました。
やっている検証自体は変わらないし、ドキュメントを作る手間は増えているのですが、ミーティングでの他チームのリアクションを見ていると、「伝わっている感」がはっきりとあります。
見せる必要はないと思っていた情報が喜ばれたり、相手も当然知っていると思っていた情報が実は知られていなかったと判明したこともあります。

 

伝え方、見せ方を変えてから、「こんな仕事してたんだね」「最近忙しそうだね」と言われるようになりました。検証は以前と同じようにやっているのに…。
私たちが何をやっているかきちんと伝わり始めると、以前よりもセールスやサポートなど他チームから依頼がくるようになりました。検証チームは顧客と接していないから、独自で行動するには限界があります。連携が取れるようになったのは、会社としてはとてもいいことです。

伝え方が、本当~に大事なんだということが、よくわかりました。

 

(※2 Yammer…限られたメンバー間でのみ使える、「企業向けTwitter」のようなSNS。スピーディーなやりとりが可能)

 

リーダーってなんだろう

—–ご自身は、リーダーとして体制作りを進めるためにどんなことをしましたか?

 

植竹さん:
自分がこれまで持っていたリーダーのイメージとはちがうものを求められたので、リーダーシップに関する書籍や記事を読んだりしました。

たとえば印象に残っているのは、「コーチング・マネジメント(伊藤守)」という本の次のくだりです。

image2

 

 

これまでは、人前でうまく話せることがリーダーやマネージャーの条件でした。説得力こそがマネージャーの条件のように思われてきました。しかし、状況は変わりました。
今や、ONE TO ONE(一対一)で話のできるマネージャーが求められています。上司という役割、仕事という理由を離れて、一対一で部下とコミュニケーションをつくり出せるマネージャーです。
(P46)

 

(コーチに必要な「聞く能力」のポイント)
話しやすい環境をつくる
聞き分ける
引き出す
効果的な質問をつくる
確認する
(P161)

 

植竹さん:
以前はリーダーというとカリスマ性でチームをひっぱっていくイメージで、みんなより一段高い立場にいなくちゃいけないという意識がありました。
でも、こういう本を読んだり、上司と話しながら、実際に体制作りと業務を進めていくうえで、対等でいいんじゃないかなと思いました。みんなの下支えをする、みたいな。

 

やってあげるんじゃなくて、体制をつくる

④

—–リーダーとしての自分をどう思いますか?

 

植竹さん:
「カリスマリーダー」のイメージが完全に消えたわけではないし、まだ自分の理想のリーダー像は定まっていないけれど、仕事を円滑にまわすことはできています。勉強中ですが、カリスマ性がなくてもなんとかなることはわかりました(笑)
上司に言われた通り、「なせばなる」、なんとかなるもんだなぁと思っています。

 

—–今後、リーダーとしてどうなっていきたいですか?

 

植竹さん:
全体を把握する力をもっと付けたいです。新体制の最も重要なポイントが「他チームへの情報発信」で、そこを一番に意識してきたから、これからはチーム内を見ることにもっと力を入れたいです。
とはいえ自分自身が担当している検証にも集中しないといけないし、他部署への情報発信も続けないといけないから、仕組みをつくるといいのかもしれませんね。私が何かやってあげるんじゃなくて、チーム内がよく見える体制になれるようにするといいのかな。

他チームに向けた活動と、チーム内をみることと、よりよいバランスをとっていくことが次の課題です。バランスがとれればチームのモチベーションが上がるし、会社全体の力にもなっていくはず。

 

やってみたら、なんとかなる。

⑤

—–「リーダーにはなれません」と言っていた自分に一言伝えるとしたら?

 

植竹さん:
とりあえずやってみる!
リーダーにもいろいろあるし、カリスマにならなくてもいい。百点はめざさなくていい。みんなに助けてもらいながら、やればいいんだよ。…ってところでしょうか。
あのときは、「なんかやんなきゃ!」ってすごく抱えてましたね。肩肘はらなくてもよかったのに。やってみたら、なんとかなるものですね。

 

終わりに:TOKIOの城島さんみたいになりたい

植竹さんが目指したのは、アイドルグループ「TOKIO」の城島茂さんのようなリーダーだそうです。
なんか頼りないんだけど、周りがサポートしてくれて、「リーダー、リーダー」と信頼してもらえるような存在がいいなと思ったとか。

リーダーとして悩んでいたころは、こんな本も読んでいたそうです。

image3

「心の疲れをとる技術」
「仕事も人間関係も『すべて面倒くさい』と思ったとき読む本」

 

この頃は悩んでいたね~、と、植竹さん。
「今はもう大丈夫だよ。でも城島さんは、きっともっと力が抜けてるよね」と、笑っていました。

 

(文:三木 恵 / イラスト:たかはま)

ロゴスウェア

ロゴスウェア株式会社は、インターネットや情報技術を使って学習に革新的進化をもたらす製品を開発することを目標に、2001年7月に設立されたテクノロジー系ベンチャー企業です。

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